キャプテンフーチャー全集1

レンズマンと並ぶ、スペースオペラの古典。多分。
ロボット、アンドロイド、生きた脳を仲間に持つヒーロー、キャプテンフューチャーが迫り来る太陽系九惑星の危機に立ち向かう! という、これぞスペースオペラなSFです。レンズマンほどスケールは大きくないようですが、その分妙に親近感が持てます。キャプテンフューチャーはキニスンのように超能力を持っているのではなく、己の才覚と力で数々の難局を乗り越えていきます。そしてまたキャプテンフューチャーの敵であり太陽系を危機に陥れる悪役たちの妙な小物っぷりが心を和ませます。いやあ、面白い。レンズマンの悠久の昔から続く神のごとき存在の駒として戦うという設定も良いのですが、こういう人類主体の物語もまた別の魅力があります。あとラノベのごとき読みやすさなので疲れているときにダバーっと読むと何かすごいいやされます。オススメ。高いけど。
しかしコレと反対進化やフェッセンデンの宇宙が同じ人が書いているとは思えない。あと通俗小説として昔はSFファンに馬鹿にされたようですが、結構細かいところまでしっかりSFしてますよね、これ。木星の大気が呼吸可能とか、そういうのはさておいて。
レンズマンを読んだときも似たようなこと思いましたが、コレが1940年に出たんですからスペオペも遙か昔に枯れてしまったジャンルという気がします。そこでタツモリ家の食卓ですよ! お茶の間スペオペ。なんで続きでないかなあ。