七胴落とし

七胴落とし (ハヤカワ文庫 JA 167)

七胴落とし (ハヤカワ文庫 JA 167)

青少年の自意識過剰を上手く描いた青春小説。なので高校の時に読んでいたらどういう感想を持ったのかが気になります。青少年の感受性の高さをテレパシーというもので表現するなど、現実世界を強調して描くタイプのSFです。
そういえば神林長平が日本のディックだという意見を所々で見かけるのですが、今一ピンときません。というかディックを露骨に意識して書いた小説が面白いとは思えません。ディックの小説の現実崩壊は日常描写の異様な生々しさが有るからこそ映えるわけで、そのへん神林長平はいまいちであり、いまいちグッとこない。似たようなテーマでも、雪風とかは最高だと思うのでやっぱりディックみたいなのが合わないんじゃないかなあと思います。