太陽の簒奪者読んだ

すごいまっとうなファーストコンタクト作品でびっくり。21世紀にこんな真っ正面からファーストコンタクトを扱った物があるとは思いませんでした。いや、悪い意味ではなく、語り尽くされた感のある分野を変な方向に逃げることなく描いて、ここまで面白い作品になっているんだからすごいなあと。
まあたしかにちょっと古めかしい宇宙のランデブーな雰囲気を感じることもないわけではないですが、ちょっと良い感じにナノテクやらAIやら意識の問題やらを交えつつ単に古くさいテーマの作品にはなっていません。
いやでもこういういかにも伝統的なSFの感じが逆にいいのかも。昨今流行の量子論とかサイバーパンクっぽいのとかばかりでは疲れるし、だからといってかっこよさげなSF的な小道具が出るだけの話というのもさみしいし、という事なのかもしれません。
80年代のファッションが流行るような感じで。
あ、ということはいつかオタクの主流が再びSFになることもあるのかもしれません。いいですね。